野ざらし農夫

いつから感じるのか 畑で齧る春ダイコン 野山に響き渡る食音 病弱な血道管が蘇る いつから感じるのか 手を伸ばし捥ぎ齧る 夏みかんの瑞々しさ 病弱な血道管が蘇る いつから感じるのか 畑で飲むplumwine 野山に溶けて染渡る 病弱な血道管が蘇る 紆余曲折しながらも ここまで生きている 病気のお陰で生死を 超える生き方を識る 見えないものを識る 聞こえないもの…

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幻想脱却

金流川を二人で歩く夢を見る 水の流れのように時も流れて もう情景もすっかりと暈けて 誰といたのか今では闇のまま 思い出はそんな風に都合よく 学校の黒板のようにいつでも 書き足したり変えたりできる 実にいい加減な幻想夢である 独り善がりになりがちな幻想 故に過去を遡るのは避けたい 我心に過去は無し、あるのは 過去から脱却する未来だけだ しゅんの写真集しゅんの詩と…

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野帆船

陽が背伸びしててきた 雲船が緩りと帆走する どこへ行くのだろうか四方へ行くのだろうか我はこの地で旅をする 野山の生き物とともに 光と風と土に塗れ乍ら 雨が降れば天に謝する満面の笑みで耕作して 疲れたら原野に寝転ぶ 我が生き物達と微睡み 野の帆船で四方を知る しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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森の魔物

摩訶不思議な夢を見た 新聞の読み過ぎからか 畑の耕耘し過ぎからか 手を出さずに舌を出す 畑の向こうの森の中で すべてを呑み込もうと 事ある毎に巧みに企て 陰で手綱を引く魔物よ 鋤を持ち鍬を振るいて 山のあらゆる生き物と ともに立ち向かうぞよ 節分に身体を奮わせて 土に光と風を抄き込み 森の魔の物を追い払う しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 …

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