想う人

あのままにした約束を 今でも覚えているかな 僕は ずいぶんと歳を 重ねてしまったのだが こんな雨の日曜日には しとしとと 想い出す それはとても遠いところで 僕の声はもう届きはしない 僕も明日を知らない年月を すれすれに生きてきたけど 真っ赤に染まる夕暮れ時は ふらふらと想い出す…

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無為(むい・ぶい)

    山桜の畑には 彩と声があり 静と動があり 安と楽がある そしてそれらが 無為なる自然に 相包まれている   文彩に表せば 染汚に属する 群れず 媚びず 靡かず 淡々として 山にいるが 世の争いが よく見える

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愛 自 然

  気がつくと 太陽が東の山に昇る   ジャガイモを植えつけて 心地好い疲労困憊に浸る     桜の花とハッサクの汁が わたしの血流を蘇らせる 陽春の空へと脈動して 四方の世界を駆け巡る 珈琲の香が漂う頃には 大蒜の影が最短になる Man is the natu…

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銀河の流れ

わかったこと なんと 流れは 川でも海でもないこと しかも 誰にも触れられないこと わかったこと 流れの先はここから見えないこと わかったこと 流れは誰にも止められないこと わかったこと 流れに地球が浮いていること わかっ…

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旅とも

スプリセルが去ってから 初冬の空を眺めていると 彼はやはり世のどこかで 誰かを救っているような そんな気がしてくるのだ 新しい友がやって来た 名前はボシュリフという 初春の空を眺めていると 雲が晴れて山波が現れて 四方の山々が低く見える ボシュリフ君に言っておく…

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春笑顔

まだか、まだか、もうすぐか 春を待つ方へと日々寄り添う 幾重にも幾重にも揺れながら 去年の春と重なり思いは募る 淡いひかりを見つけては うす桃の花びらがひらき 夢と現の中で漸く色づき はせる心が抑えられない 冷ややかな朝の気配に 山さくら 頷きほほえむ 海の果ての貴女に…

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