夏 草 Ⅱ

夏草と言えば芭蕉を思うまた島崎藤村も思い浮く夏草は ほどよく離れて見るのがもっとも生きる近すぎると息苦しく思う離れすぎると雑景になる涼しむ山水の草となりは透き通るほどに凜となる朝の農園はすがすがしくフィラデルフィア染色体あがいていても静かなり夏草の凜々しきに乱れず青空も白雲も透きる風も揺れている木々の緑葉も光と影の中で躍る夏草ももはや我病まで忘れ去る しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全…

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親知らず

梅雨に入り低体調ロキソニンの服用効き目が短くなる雨雲が野山を覆う気と免疫が下がる親知らずがおがる歯痛が全てを覆う痛み三日目となる父と母の夢を見た親知らずの痛みが亡き面影に通じる抜歯してまた思う※おがる東北の方言意味は大きくなる しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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明日へ生きる

鍬を天から地へと振り下ろすたびに若き日が宙を過る過去という野畑を天地返ししている老いて振り向くと何一つ足跡はないもうそこは新土だ初々な芽が生える明日への畝となる若き日々を辿れば足跡が所々薄れる帰る野道を歩めば我は夕日に溶けて足跡は明日へ続く しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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ヤブガラシ

藪枯しが揺れる蔓は切れ易いが再生繁茂は速い故に他を枯らす野菜農家からは疎まれているが昆虫たちからは親しまれている朝早く虫が動く藪枯しに真珠体分秘される珠は虫の養液となる何一つ無駄ない生物たちの生業その仲間になる者、暁に集まれ しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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ほしいもの

私のほしいものは君のほしいものは雲の流れるままにうわの空へ微睡む私はゆく先短いがゆっくりが欲しい君はゆく先長いがスピードが欲しい田舎は何もないが山と空と畑がある全てスローであり自然が溢れている都会は土がないが便利なものが多い速い流れに乗って漲る欲が飛び交う現は利器だらけで欲が見え隠れする夢には何もないが素直に生きられる しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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息 吹

野良仕事をしている右腕がチクリと痛む袖口から入ったのか慌てずゆっくり脱ぐ堰畑から春空を仰ぐ春菊青梗菜もち麦も春の風を呼ぶ銀杏も五蘊浮く雲も大笑う皆元気に生きているアリも息を止めずに春なる風を深く吸い我腕を伝い地に戻る しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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相互依存

支え支えられているスズメノエンドウとクローバが畑で育つ蜘蛛達の楽園である空散で米の収穫量が増えるが益虫を失う蜘蛛もミツバチ達も少なく受粉が不十分相互依存知らざれば自然もアメリカをも破局的な結末に至る今ぞ慈忍の心を要す しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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怒と恕

悲しみは悲しみを生み苦しみは苦しみを生むじっと堪えて土を掴み雨空に怒と恕を発する愚かな人間されど人間争いは今も続いている何千年をも続いている戦いの方法が変わって核よりも核を使わせるフェィクが武器となる戦後 北国に生まれた厳冬の山河は美しいが純白な雪が泥に染まる白と黒の争いが起こるでも再び水と土に還る しゅんの写真集しゅんの詩と写真 全体像 にほんブログ村

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